いつのまにか医療機器業界に携わって6年がたっている。
もともとは研究に片足つこっんだあとに、製薬業界に少しお世話になり、アメリカに来てフラフラしていたら、ご縁があり医療機器業界にお世話になっているという状況なので、本当に偶然の産物も多いのだが、にもかかわらず医療機器業界のことを丁寧に教えてくれた今までの上司や諸先輩方や同僚には感謝しかない。
医療機器業界でのアクセスやHEORは製薬とは一味違った面白さがある。そもそもニーズのありなしからはじまり(例えば日本ではHTAにひっかかることが少ない)、求められるスピード感の違いだったり、いろいろなものが無い中で(そもそもRCTが無いとか笑)、いかに工夫してエビデンス創出をするかなど、ワクワク(冷や汗をかきながら)することがたくさんあふれている。
せっかくなので、そんな医療機器の視点からいくつかのHEORの研究手法のProsCosを振り返ってみたいと思う。
① 前向き試験(RCT/Non-RCT)
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Pros: 前向き試験の一番いいところは取りたいデータを自由にとってこれるところ。例えば臨床的なエンドポイントはもちろんのこと、カーブボール的な医療現場での効率性みたいな経済性により関連するデータを取ることができる。もちろんRCTをできた日には最高グレードのエビデンスが手に入る。
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Cons: めちゃくちゃお金と時間がかかる。プロトコルとか倫理審査はまだいいほうで、医師や医療機関との契約といった研究スタート前の事務処理に悩まされ、スタートしてからはデータ収集のオペレーション管理に精神を削られる。
薬事承認で必要となる製薬企業と比べてそもそもの必要性が薄く、HEORのためだけにやるのか、、、というのは研究の証明できることと、ビジネスニーズとの関係次第。もちろんRCTでなくて前後比較とかSingle Armとかもも選択肢。
サイエンス的には、医療機器特有のLearning Curve(学習曲線)問題もある。導入初期と習熟後の成績をどう評価するか、そのうえでいつデータをとるべきなのか(ローンチのタイミングなのかあえて1年まつのか、など)は、論点の一つ。
② RWE/DB研究
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Pros: 実世界でのデータをとれるというのはやはり重要。そもそもRCTが薬事承認で必ずしも必要とされない医療機器において、Long Termだったり、自由に比較群を選ぶことができるのは、ありがたい。前向き研究よりは段違いに費用も少なくて済むので、失敗した際のリスクマネジメントの観点からもGood。
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Cons: そもそも自分たちの「医療機器」を追跡できるかは、その医療機器次第。カテゴリーレベル/手技レベルで保険請求コードにも紐づけられていることが多い(日本でもアメリカでも)ので、どう区別するんだという話はある。電カルと紐づけられていたら場合によっては、、、ということもあるが、そこは電カル、Missing Dataの可能性も含めて未知数。あとエンドポイント的にもすべての検査値とかが網羅されているかは、データソース次第。
③ システマティックレビュー・メタアナリシス
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Pros: 短期間でそこそこまとまったデータを出せるというのは強み。ベンダーに頼むのもそこまで高くはない(もちろん目的や量によるが)。Disease Burdenとか、ある程度ローンチから時間がたった製品のバリューアップにつなげられる。
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Cons: ライフサイクルが長い製品でないと、システマティックレビューするころには新しいのをローンチするということで、あまり価値がなかったりする。このあたりを解消するのが、ターゲットレビューだと思う。
④ 経済性モデル(価値の可視化)
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Pros: 「手技時間の短縮(=人件費減)」「合併症減少(=入院期間短縮)」といった、病院経営視点での経済価値を組み込むことができるので、医療機器との相性は実はよい(データがあれば)。
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Cons: そもそも使うデータがないことが多い。あとこのエビデンスのメッセージを送る対象は、病院の経営層とか、診療科の偉い人とか、一般医師向けでは必ずしもない。情報を伝える側(SalesだったりAccount Manager)も、ちゃんとトレーニングしないと、言ってるほうもチンプンカンプンみたいな状況になる。
⑤コンセンサスステートメント(デルファイ法とか)
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Pros: データが限られているローンチ初期の段階でも、比較的臨床でつかってくれたHCPをリクルートすることで、メッセージをつくることができる。プロジェクトコストも比較的安価。
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Cons: 人がいっぱい必要になるので、契約とかコミュニケーションマネジメントに意外と時間がとられる。あと、メッセージとしては成り立つけど、信頼度が高いかどうかは、調査対象となるパネルの設計次第。
こんなところだろうか。いくつかユースケースも今後拾って紹介していきたいと思う。あとこれを書いた後に、レジストリ研究も一つの手段としてあるのを思い出したが、ここは企業主導というよりもアカデミック主導になりがちなので、いったん脇に置いてみた。
