この夏からなんとCMSが完全にアウトカムに紐づいた支払いモデルのパイロットを開始するらしい。
対象となる病気ごとのいくつかのトラックに分かれており、
- Early Cardio-Kidney-Metabolic (eCKM)
高血圧、肥満/過体重、など - Cardio-Kidney-Metabolic (CKM)
糖尿病、慢性腎疾患、動脈硬化性心血管疾患 - Musculoskeletal (MSK)
慢性筋骨格系疾患 - Behavioral Health (BH)
うつ病などの精神系疾患
となっている。
個人的なポイントはこのモデルでは、病院等に対するCMS(メディケア)からの支払いがアウトカム(例えば糖尿病でいうHbA1cとか)に紐づいて行われるというところ。
どうやらCMSがアウトカムの目標値を設定し、そのアウトカムを達成しなかった場合、年度末に病院への支払いが減額されるというシンプルな仕組みになるらしい(コンセプトとしては)。細かくはアウトカムだけでなく、患者がその他の診療機関で治療を受けていないかなど、いくつかの調整項目はあるようである。
特に医療機器・デジタルヘルスのマーケットアクセスという観点から見るとここには一つ大きなポイントがあると思う。
それは、以前の記事でも紹介したようなCoverageやCodingといった保険償還の細かい制約に縛られずに、病院などに納入できるようになるという点である。
通常だと、診療行為に紐づいたHCPCSコード(Coding)があり、それに基づいて病院は保険請求をする。メディケアや保険会社はその請求に対して、正しい対象患者に治療を行っているかチェックする(Coverage)。
デジタルヘルスのプレーヤーにとって一番ネックだったのは、このコードを作るのも大変なのにカバレッジに関してはメディケアは特に厳しかったことは、Pear Therapeuticsの話でも書いた通り。
このややこしい償還に至るまでのプロセスがなくなるので、特に自社製品が既存治療と比べて①安価かつ②目標とするアウトカムを達成する、と示れば病院や医者は喜んで使いやすいように思えます。
が、ということはそのための治験や市販後調査といった臨床データと、医療経済学的なエビデンスが重要になってくるのではということにならないかと、HEORに関わる人間からすると期待が膨らむところ。
ちなみにこのパイロットは今年から10年やるそうで、しかも対照群(おそらく病院・診療所単位か?)もしっかり作るそうな。この辺りの壮大な社会実験をやってしまうのがアメリカの開拓者精神を感じるところでもある。









