アメリカで転職をする話①ーなぜ転職活動を始めたか

この4月をもって今まで働いていた会社を去り、新しい会社にジョインすることになった。ここ2週間ほどは会社/上司への通知・引継ぎやあいさつ回りなど思った以上にいそがしかったのだが、自分の備忘録も兼ねて今回の流れを記録しておきたい。

 

振り返ると次の3つの構成になる。書き始めると長くなってきたので、今回は①だけ。

 

①なぜ転職活動を始めたか?

そもそものきっかけは2023年の秋ごろから、アメリカでキャリアを積み重ねていく上で、何を専門として強化したいか、、、という事を考え直したことが発端だった。

 

今いるマーケットアクセス部門はとても楽しいのだが、このマーケットアクセスという役職、大きく3つか4つのサブチームや関連部門がある。その4つとは、①保険償還(いわゆる保険者との交渉やその戦略を考えるチーム)、②Health Economics and Outcome Research(医療経済やアウトカムリサーチ)、③Pricing(価格戦略)、④政府渉外になる。

 

日本にいたときは①、②、③のプロジェクトにかかわっており、現職では①・②を主担当としつつ、③・④に間接的にかかわっていた。

 

この保険償還戦略を考えるのはとても楽しかったし、製薬・医療機器で重要性を増している部門であり、自分のようなMBAとMPHを持つ人間には適した部門だった。

 

ただこの保険償還という話はとてもローカル性が強く、3年間働く中で一定の理解を深めたもののどうしても、ローカル人材と比べたときに不利に感じることが多かった。例えば薬事部門であれば(私の同僚を見ている限りでは)、各地域・国の特色があるものの一定の共通点があると思う(例えばFDAとPMDAのマスターファイルの構成など)。

 

しかし、残念なことに保険者やPayorという領域ではほぼゼロに等しい。国ごとにあまりにも償還のシステムや基準が異なっているし、お金の絡んでくるこの領域で、各国・保険者ごとに異なる経済状況である以上、将来的に統一するのはどうもないように思えた。

 

その中で、どの機能をグローバルに集約するかという事を想像したときに、一番効果的なのは②のHEOR機能であると思うにいたった。①でもコマーシャルエクセレンス的な機能を持てばいいのだが、正直まだまだその辺りの理解が今の会社では共有されておらず、関連するイニシアティブを進めてもポシャることがあった。

 

このHEORという分野がもちろん多少の地域性はあるものの、保険償還分野よりはマシ。またリサーチプロジェクトのニーズは高まってきている。自分で勉強するのも楽しく興味の方向性と一致していた。

 

とまあこんな理由で②のHEOR部門を軸とした転職活動を始めたのだった。

 

②転職が決まるまでのタイムラインと失敗・成功の振り返り

③退職時のプロセスと振り返り

 

というわけで②と③はまた次回。