アメリカで転職をする話②ー転職が決まるまでのタイムラインと失敗・成功の振り返り

アメリカで転職した話を前回書き始めたところ3部作構成になり、今回はその第2部。

第1部はなぜ転職活動をはじめたかという話で、今回は大まかな転職活動のタイムラインと振り返ってみたときの失敗・成功をまとめていきます。

 

 

①なぜ転職活動を始めたか?

whatishealth.hatenablog.com

②転職が決まるまでのタイムラインと失敗・成功の振り返り

②-1:タイムライン

・年末

正確に転職活動を開始したのは年末だったように思う。この時点ではレジュメ・CVのアップデートとカバーレターの骨組みを作るのと並行して、LinkedInを見ながら求人情報をあさってとりあえず数件ほど応募していたと思う。結果は全部書類落ちだったはず。

 

・1~2月

書類落ちの反省を生かして、CVの書き方を変えた。具体的な内容は後述するが、だいたい4種類の職種に応じて、CVでハイライトする経験を変えた。あと、書類落ちの現実を反映して、経験年数もさることながらポジション的にも上を狙いすぎたと反省。ワンランク落とす。すると2月になって1~3件ほどインタビューに呼ばれるようになる、が、1次か2次で落とされる。

 

・3~4月

次第にインタビューに呼ばれる確率が高くなる。書類の中身だけでなく、応募するポジションをうまく選んでいたこともあったと思う。3件ほど最終面接までたどり着く。2件オファーが出たところで、最後の1件は選考を辞退。

 

②-2:失敗と成功から考えるベストプラクティス

成功したと思うこと

A- CVを応募する職種ごとにカスタマイズ

よくCVをカスタマイズすることの重要性は目にするが、個人的には1件1件の応募ごとにカスタマイズする時間なんてないので、基本的には使いまわしていた。しかし書類選考ではねられまくったので、かわりに職種ごとにカスタマイズした。

 

自分の場合は、Market Access・HEOR・Data Analysis/Business Intelligenceという3種類のCVを作って、それぞれのCVで各職種に経験する側面だけをハイライトした。書類選考率がとてもあがったので、おそらくコスパはよかったのだと思う。

 

あと細かい点では、サマリーをつける のは重要だったと思う。ここでいうサマリーというのはCVのトップに、"XXX specialist/professional with YY years of experience in  ZZZ"みたいなやつ。いわゆるBlurbともいえるもの。いろんなJob Description(JD)には職務経験何年とか、このアプリケーション経験がある、とか条件があるので、それをこのBlurbにいれこんだ。リクルーター・人事も時間が無い中でスクリーニングするので、引っかかりやすいように意識した。

 

B- 自分のポジショニングの整理

その分野のなかの他の候補者として何が強みで何が弱みになるのかを整理して、素直にさらけ出したのは案外よかったように思う。

 

例えばあるポジションでは、アメリカの保険償還支払いシステムでいうとIPPS・OPPSと呼ばれるFee Scheduleの知識が必要だったが、自分のレジュメ上はその経験がなかった。なので代わりに、どのようにキャッチアップするつもりなのか、例えばPFSとDMEとよばれる支払いシステムの経験はあったので、IPPS・OPPSとの共通点などを強調した。

 

強みとしては、HEOR・保険償還というやや専門性の高い領域に加えて、マーケティングファイナンス(いわゆるビジネス言語)を両方わかっている人間は少数である(かつニーズがある)と仮説を立てていたので、その辺りの経験(失敗も含めて)や意識を話すと結構刺さっていた気がする。

 

失敗・こうすればよかったと思うこと

C- 家族との調整・10年先を見据えた転職計画の合意

数年前と比べて、リモートポジションが少なくなる中での転職は、引っ越しを伴う可能性がどんどん高くなっている。もちろん家族としてはリモートで引っ越しせずにいたほうが楽なのは間違いない。しかしAt will 雇用のアメリカでは、自分のUncontrollableな要素でレイオフだったり、転職をしなければならなくなることも少なからずあると思う。日本であれば多くの企業は東京か大阪に集中していて、転職で引っ越すことはあまりないが、こちらでは西から東のいろいろな場所に企業がHQをおくので、そのあたりの事情を踏まえた、家族との期待値調整はしないと、あとあとこじれてくる。

 

D- 自分のなかでの優先順位の整理

比較的職種を絞って応募していたので、基本的にオファーが出てしまえばその会社に行くつもりでいた。ただ幸運なことに2社からオファーをいただき、どちらを選ぶかで家族と会社も巻き込んですったもんだなことになってしまい、とても反省。オンサイトのコーポレート職 VS リモートのコンサルという簡単には優劣のつけにくいなかで、自分の決め方のまずさが如実にでてしまった。そんな簡単なものではないが、自分の中でどんなキャリア・プライベートの軸足を置くかは、定期的に振り返ろうと思う。

 

③退職時のプロセスと振り返り

③はまた次回。初めてのアメリカでの退職プロセスということでいろいろ学んだこと・知っておいたほうが良いと思ったことを紹介します。