アメリカの薬はなぜ高いのか?(流通構造編)

渡米完了後、忙しいのもあり、まったく書き込めていなかった。そもそもブログをやる目的もはっきりと考えてなかったというのも原因。

 

目的持つことと、最初のハードルを低くすることが重要ですねー。

 

で、今回はお題の通り。アメリカの薬はなぜ高いのか。。。と書こうと思ってたんですが、ちゃんと考えようとするとそもそも国レベルで人件費が高いとか、製薬会社が自由に価格決められるとか、いろいろな原因があって、簡単には書けないと気付いたので、あくまで流通に絞って書いてみる。

 

というか、たまたま面白いデータを見つけたので、備忘録がてらの紹介です。

https://healthpolicy.usc.edu/research/flow-of-money-through-the-pharmaceutical-distribution-system/

 

USCって薬剤経済学のマスターコースが古くからあるんだよね、ってことでなんとなく納得のソース元。個人的に面白いのはFigure2。

https://healthpolicy.usc.edu/wp-content/uploads/2017/06/Sood_Exhibit_2.jpg

お薬の価格を100ドルにしたとき、どこでどのプレーヤーがいくらお金とってますか、、、というデータ。製薬会社がまず一番利ザヤを稼いでいるのはよいとして(もちろんどのくらいが適切かという論点はありつつ)、面白かったのは、PharmaciesとInsurersの幅が比較的大きいこと。

 

ホールセラーの利ザヤが小さいのは万国共通、PBMは集中購買的な役割を果たしているアメリカ独特?のビジネスだが、典型的なMiddlemanとして利ザヤは小さい。

 

PharmaciesとInsurersは幅も大きいし、Captured-Other use(緑)の割合が大きいのが印象的。おそらくPLでいうとSGAに含まれるあたりの費用だと思うのだけれど。。。

勝手な仮説だと、Pharmaciesは人件費、Insuresはマーケティング費用だろうか。

固定資産的な費用もあるのだろうか?Pharmaciesもなんだかんだ箱物だし、Insurerもこっちだと病院を傘下に持っているのもあるのでもしかしたら。でも後者に関しては、病院事業でちゃんと回収している(するべき)はずなのでおそらく違う気がする。

 

てか、そもそもデータどうやってつくったんだろ、と思ってみたらIndustryの平均値ということでした。

https://healthpolicy.usc.edu/wp-content/uploads/2017/06/USC_Flow-of-MoneyWhitePaper_Final_Spreads.pdf

時間があるときにでもIR見てみようかしら。