こんないいインフォグラフィックつき記事をみつけました。
ここではいったん「DTx・治療支援」と「研究開発支援」にわけているけど、個人的には「研究開発支援」・「治療支援」・「DTx」と分けるほうが良い気はする。というのも、
①「研究開発支援」はあくまで研究開発プロセスの効率化が目的、
②「治療支援」は(流行りの)Patient Journeyにおける接点を増やして「疾患ソリューション」を提供することで薬のバリュープロポジションの再定義・差別化を行うことが目的、
③「DTx」は単純に新しい治療法(デバイス)の提供が目的、
ということで協業目的の意味合いが異なる気がするからです。
①はどちらかというと単なるシステム導入にも近い一方で、③はむしろ新しい薬のシーズを探してくるのとほぼ一緒なのでは。いままでマーケットでかちあう事のすくなかった薬と機器の治療上の補完性が、アプリという新しいプラットフォームによって競合関係にかわっただけな気がします。
そういう意味でいうと真の「協業」のイメージに近いのは②の治療支援かと。医療のバリューチェーンとして、予防(検診等)→診断→治療(急性期)→介護(慢性期治療)→回復なんてのがありますが、このバリューチェーンを跨ごうとするケースこそが、②だと思います。
たぶん診断と治療を跨ごうとするのは、がんのような遺伝子特異的なものでもない限りバリューが出にくいので、治療と介護をつなぐ=慢性疾患がターゲットになってくるのだと思います。
協業する理由は単純にテックから見てもヘルスケアは敷居が高いし(規制とか)、ヘルスケア(特に製薬)からするとBiologyとEngineeringというサイエンスの違いから協業がベスト。
もちろん医療機器から見ても、コンシューマーテックの持つ消費者視点での製品開発・マーケティングは、慢性疾患のデバイスだと特に魅力的な気がします。病院内で使うデバイスとは使用者が違うので。
動画にもありますが、難しいところは想像ですが、
①会社間のカルチャーの違い(意思決定速度・開発速度の差)をどう乗り越えていい関係をつくるか
②協業の成果・シナジー効果をどうそれぞれ定義するか
③(必要に応じて)どうサプライチェーンやバリューチェーンを協業の形に合わせて最適化するか(特に個々の製品をバンドルして売るときとか)
なんでしょうか?
組織的な話はこれも1例として参考になりそう。