メディケア・メディケイドの中身

COV-19のせいで大統領選挙の話題が下火になりつつありますが、焦点のひとつにもなっているアメリカの医療保険メディケア(とメディケイド)について簡単にメモ。

 

留学とか駐在とかでアメリカに来ても一般的な日本人にはほとんど関係のない話題です。なぜなら基本的に対象者は高齢者や子供や身体障害者などになるからです。普通に留学とか駐在で来るなら、大学か会社が契約している保険に入るのが一般的だと思います。

 

しかしアメリカのヘルスケアを理解する上で欠かせないのが、このメディケア・メディケイドです。唯一の公的医療保険制度でCMS(Center for Medicare and Medicaid Service)によって運営されています。

www.cms.gov

 

・どんな役割を果たしているの?

→メディケアは65歳以上の高齢者向け、メディケイドは65歳以下の低所得層向けです。ただ低所得者向けといってもメディケイドは予算の半分が州政府からの拠出なので州によって多少基準が違います。定義が貧困線の133%というところもあれば、75%というところもありました。ACA(オバマケア)の焦点の一つはこのメディケイドの基準を統一かすることでした。

 

・中身はどういう制度になっているの?

→メディケアは複雑でPart A/B/C/Dとなっています。Aは入院中の治療、Bは外来治療、Dが薬です。PartCは特殊でメディケアアドバンテージと呼ばれ、中身としてはA+B+Dですが運営が民間の業者に任せられており、加入者は政府が運営するPartA+B+Dか民間業者が運営するPartCに入るか選ぶことになります。下の資料にもありますが、徐々にこのメディケアアドバンテージの割合が増えてきています。

 

 

・規模は?

www.kff.org

http://files.kff.org/attachment/Fact-Sheet-Medicaid-Pocket-Primer

 

この資料にもあるように2018年で7310億ドル。日本の医療費は全体で約40兆円なのでこの時点ですでに大きな差が。。。民間保険は行ってないのに。。。

2330億ドルがメディケアアドバンテージ、PartDは950億ドル。PartDを見るとここ数年は金額は一定になっている。価格交渉の結果かな?でもこれを見ると単なる薬価の問題だけでなく医療行為そのものが高くなってるようにも見受けられる(もちろん一人当たりの費用になってないので、純粋な加入者数増の可能性もあるけどそんなに急に増えないはずなので)。