アメリカでの差別(フロイド事件とそのデモに思う)

 緊急事態宣言が徐々に緩められていく中、いかがお過ごしでしょうか。私の州・都市でもPhase1からPhase2へと移行し、いろいろなお店が再開しています。

 

顕著なのが車の量です。以前は平日の通勤時間帯でもまばらだった車が、すでに緊急事態宣言前のレベル近くまで戻ってきています。通勤ラッシュがまたおこるのもすぐそこか。。。

 

 

日本でも報道されていますが、今アメリカではコロナウィルスに加えて黒人差別がトピック化しています。私の住んでいる都市では、平和的なデモ活動が行われていますが、近くの州都では比較的大規模なデモと一部暴徒化したグループがおり、ミネアポリスやロサンゼルスと似たような状況になっています。警察による鎮圧活動(催涙弾とか)も行われていたようです。ニュース越しではあっても、ここまで身近に暴力を目の当たりにすることが少なかった自分としては比較的ショックを受けています。

 

フロイド事件が協調されていますが、実はこれだけではありません。今年に入ってから似たような事件が起きており、それも一因だと思います。

 

2月にはジョギング中の黒人青年が射殺されました。容疑者が司法関係者だったことがより状況をややこしくしています。

www.nytimes.com

 

3月には麻薬捜査の家宅捜査の際に銃撃戦が起こり、1人の女性(住人)が死亡しています。彼女の恋人が警察官を撃っていることもまたややこしいのですが、捜査が適性に行われていたのかが焦点になっています。

www.cnn.com

 

そしてNYでは、禁止されていた場所で犬を放していた女性が、その行為を咎めてきた黒人に対して警官を呼ぶという行為をしたことで、避難を浴びました。

www.cnn.com

 

事の大小はあれどこれらのニュースを見るたびに、自分のアメリカへでの差別への不理解も感じるばかりです。もちろん歴史の授業を通して、公民権運動の話とかは学んでいるし、公衆衛生を研究していた人間として、Social Determinants of Healthの一つにEthnicityがあり、影響を与えているというのは知っていましたが、肌感覚として理解できていなかったと思います。

 

とある人の話で、ある黒人のお父さんが近所のスーパーに出かけるたびに子供から「無事に帰ってきてね」と声をかけられていることを知りました。英語でよくあるHave a safe tripとかそんなもんじゃないです。たかだかその辺のスーパーいくのに、こんな会話を交わすとは、と衝撃でした。

 

似たような話で、これらの記事がいかに彼らが異なる状況に置かれているかわかります。

www.huffingtonpost.jp

www.huffingtonpost.jp

 

自分はいま南部州にいるのですが、幸いなことに自分の周りで似たような事件を耳にしたことはありません。また黒人・アジア人に対する差別も、今のところ目にしてはいません。比較的教育レベルの高い地域にいるというのも一因かもしれません(修士以上の教育を受けている人が多い地域にいます)。

 

ただ差別はなくとも、格差があるのは感じます。ホールフーズにいる客層とウォルマートにいるメインの客層のEthnic groupは明らかに違うように見えます(前者は白人、後者はヒスパニックや黒人)。これくらいは大したことはないのですが、所得格差や教育格差などに、Ethnic groupが影響を与えていることを見ると、目には見えずともある種のシステムとして特定のEthnic groupが不利になるようなバイアスがかかっているということが事実として存在するのだと思います(いわゆるSystemic racismやSystemic discrimination)。アジア系ももちろんその一部にあるのでしょう。

 

就活で医療保険会社の話を聞いていて、彼らの重要課題のひとつにSocial Determinants of Healthがあることの理由をいまいち理解できていませんでした。もちろん保険会社的にインセンティブがあるのはわかっていたのですが。背景となるアメリカの格差への理解が足りていなかったからでしょう。

 

www.ncbi.nlm.nih.gov

www.cnbc.com

 

自分がアジア系という事も含めて、日本にいると気にしないのはもちろん、大学院という囲われたコミュニティにいると気にもとめなかった事が感じられる最近でした。

 

〇追記

www.youtube.com

 数年前の話にはなりますが、このあたりも参考になりそうです。