アメリカでの薬のマーケットアクセス戦略:フォーミュラリーと市場の競争度の相関分析

さてさて無事仕事が始まり、さすがに大学院にいた時よりは忙しい生活になってきました。特に初めての転職という事もあり、いろいろ緊張していますが何とか最初の1か月を無事に終え、いろいろと学びがありました。またどこかでリフレクションしたいと思います。

 

前回PBMの話をしていたところ(下記記事)、今回たまたま関連記事を見つけたのでメモ。

whatishealth.hatenablog.com

 

メモの元ネタはUSのデロイトのレポートです。

www2.deloitte.com

 

生活習慣病領域の製品群とオンコロジーの製品群でフォーミュラリーでのカバー率と競争度の相関関係を見ています。メディケアとコマーシャルペイヤーで分けているのも面白いところ。

 

キーとなる図は以下の2つ(コマーシャルペイヤー対象)。

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生活習慣病領域の相関関係(ソース:デロイトUS
https://www2.deloitte.com/us/en/insights/industry/life-sciences/pharmaceutical-pricing-market-access.html

 

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オンコロジー領域の相関関係(ソース:デロイトUS
https://www2.deloitte.com/us/en/insights/industry/life-sciences/pharmaceutical-pricing-market-access.html

 

図のタイトルにあるように、生活習慣病領域でのほうが、オンコロジーと比べてフォーミュラリーによるカバレッジに差が大きく出ており、Competition(競争度)との相関が高くなっている。

 

Competition intensity scoreが具体的にどう作られているかが気になるところではある。一部おなじ色なのに競争度が違う理由とか。競争度がいくつかの複合要因で構成されている場合はそのうちの特定の要因に強く影響受けるとかありそう。

 

オンコロジーはステップセラピーとかPrior Authorizationで、そもそもの償還を制限するのが一般的なので製品ごとにそこまでフォーミュラリーによるカバレッジに差が出ない一方で、生活習慣病領域だとリベートやCopaymentサポートなどの追加施策も重要になるようです。